「オペラ座の怪人」

2005年2月23日
 ああ、なんていいお天気。春本番の暖かさのなか、銀座をぷらぷら。東京は春一番が吹き抜けたらしい。・・・で、今日は水曜、レディスデー。
 殆ど吸い寄せられるように有楽町日劇のチケット窓口に立つ自分。二回目の「オペラ座の怪人」。

ミュージカル苦手派の私が心底しびれたあの舞台。1000円(じゃ1800円だとどうか?)であの感動を追体験できるなんて素晴らしい。来週も来ちゃうかもしれない。

 ファントムがどーしてもアントニオ・ヴァンデラスに見えるのは私だけか?しどけなくはだけたフリフリシャツに割れアゴ、クールすぎるマントさばき。もう、そのまんま「ゾロ」・・・ああ、素敵。

 今日もおんなじところで、おんなじように涙・涙。

 ラストのファントムの消え方は舞台版が好みだけど、クリスティーヌのお墓に・・・というくだりは映画ならではの演出で、これまた泣かせる。

 
 

「デモクラシー」

2005年2月22日
「デモクラシー」

青山劇場 19時開演 XC列20番 センターブロック上手寄り最前方

 市村正親・鹿賀丈史25年ぶりの共演というだけでも十分観る価値ありの話題作。役者は実力派揃い。頑張ってとにかくいい席を取ったけど、もう2列位後ろのほうがベストか。上手寄がおすすめ。

 1969年、西ドイツの首相となったヴィリー・ブラント(鹿賀丈史)。執務室にはエイムケ(近藤芳正)、ヴィルケ(石川禅)、ボディーガードのウーリー(小林正寛)らブラントを支える秘書たちや、ブラント内閣の重鎮ヴェイナー(藤木孝)とシュミット(三浦浩一)、内務大臣のゲンシャー(加藤満)とその部下ノラウ(温水洋一)らが出入りしている。ある日、エイムケは新内閣には一般市民の意見を取り込むべきと、平凡な党員のギョーム(市村正親)を秘書に抜擢する。
 しかしギョームは東ドイツのスパイ。彼はボスのアルノ(今井朋彦)を通して西側の情報を流していた。そんな中、Gの頭文字がつくスパイが潜入しているという報告を得たヴェイナーは水面下で捜査を始める。

 献身的にブラントに忠義を尽くす一方で東側に情報を流し続けるギョーム。カリスマ首相として大衆の絶大な人気を集めながらも、アルコール依存、派手な女性関係など人間的に様々な問題を持つブラント。次第に二人には信頼が生まれ、友情さえ生まれる。

 史実を基にした、濃厚な「男芝居」。ギョームが捕らわれてからがやや希薄に流れた感もあるけど、政治劇としても秀逸な作品。存在感のある役者にぐっと支えられ、骨太な舞台。

 役者は後方に設けられた執務室で「執務しながら」終始板付状態。スクリーンの移動で時間の経過、シーン転換を効果的に演出。

 ギョーム役の市村さん。人の良さがにじみ出る芝居にじんわりと涙。彼ならではの洗練された体の動きを封じたところにも、ギョームの東西双方へのぎこちない忠義が浮かび上がる。コミカルな味付けはさすが。

 鹿賀さん、圧倒的な存在感。口跡も素晴らしく、カリスマ首相たりえる堂々たる芝居。

 東西を結ぶエージェント役の今井さん、やっぱりこういう知性的な嫌味のある役が最高。いつもながらクールで正確な芝居に惚れ惚れ。

 カーテンコールで温水さんと近藤さんが肩を組んで楽しそうにはけていったのが小劇場ファンとしてはちょいとうれしい。
 
佐野元春THE SUN TOUR 2004-2005
NHKホール 2階C17列10番

 近年の元春ライブの中で最高の夜。

 前半は踊りまくれる元春クラシック、休憩をはさんで後半は新譜「THE SUN」からの曲の二部構成。
 開演前から会場はものすごい熱気。まるでアンコールを求めるような拍手と歓声。さすがにツアーファイナルだ。

 白いスーツ姿で佐野さん登場。内に秘められた充実感がびしびしと伝わります。2階席まで一気に総立ち。
 「3世代にわたるオーディエンスが集まるロックコンサートは日本にはここ以外にはないんじゃないかな」とは佐野さんのMC。いつもそうだけれど、とっても若い子(第三世代の子供もね)から60代以上の方まで実に幅広い客層が、一体感を持って、でも思い思いに楽しむ素晴らしい雰囲気。

 2部は赤のスーツ。アンコールは例の白いシャツ。「ポケットにはいくつもの」。歌声も(最近のライブとしてはいつになく)のびやかで、不安を感じさせない力強さ。特に「太陽」は圧巻・・・あんなにいい歌だっただろうか。

 音響自体も素晴らしく、渋谷公会堂や武道館では決して味わえない美しい音に身をゆだねる幸福感に酔う。

 ダブルアンコールの「someday」では感極まって涙する佐野さん。もらい泣きと感動の涙でくちゃくちゃになりながら「20代には20代のいつかきっと、50代には50代のいつかきっとがあるんだ」という言葉を深く胸に刻み、自分の「30代のいつかきっと」を思う。

 これを佐野さんは25年も続けている。そしてこれからも。歳を重ねることは素敵だなと思える瞬間。歌って踊ってヒザはがくがくだけど、ちょっと強く生きていけそうな気持ちになった一夜。

 セットリスト
   ↓
BACK TO THE STREET
So Young
ハッピーマン
ヤァ!ソウルボーイ
ぼくは大人になった
また明日...
風の手のひらの上
99ブルース
インディビジュアリスト

<休憩10分>

月夜を往け
最後の1ピース
恵みの雨
希望
地図のない旅
観覧車の夜
君の魂大事な魂
明日を生きよう
DIG 
国のための準備 
太陽

<アンコール>

Bye-Bye Handy Love
アンジェリーナ
悲しきレイディオ〜メドレー〜 
SOMEDAY

めぐろ三ツ星食堂

2005年2月16日
 今朝の地震も、やっぱり直前に目がふと覚める。地震の時はいつもそうだ。揺れ出すちょっと前に、悪い夢を見ていたわけでもなく、本当に意味もなく目が覚める。私のなかに少しだけ残った野生の勘か?

 「おお、これは大きいか?」と思いつつ、ぬくぬく布団のなか。ま、部屋には背の高い家具も、ふっとばされて自分に危害が加わりそうなものも置いてないし(なんもないとも言う)。うちにいる分には揺れている間はとにかくじっとしているのが一番安全。
 
  東京は震度4だったそうだけど、うちの一輪挿しはびくともしなかった。よくわからんがエライ。

 さて、朝から冷たい雨。今日は2週間ごとの皮膚科の通院日なので三田まで出向く。ランチに美味しいオムライスが食べたくなって、麻布十番の「満天星」とちょっと迷って、ひさびさに「めぐろ三ツ星食堂」へ。

 目黒駅から白金方面へ、高速のひとつ手前を右折すると、そこにちいさな洋食屋さん。名前は「めぐろ三ツ星食堂」。ここのオムライスは文句なしに美味しい。本当にちいさな店で、駅から離れているのにいつも満員御礼。
 今日のランチはケチャップ味の普通のオムライスと、あとはカレーが数種類。ここはカレーもとても美味しいけど、今日は正統派オムで。

 たまごはふわふわとろとろ系。ライスの具は赤・緑ピーマンと玉ねぎ、鶏肉。とにかくシンプル。作っているのをカウンター越しに見ても、ごく普通に、おかあさんが作るみたいな優しさをもって、でもさくさくとプロの手順が進みます。
 ごはんはぱらりしっとり、卵がとろっとからんでほうっと安心できる美味しさ。仕上げのケチャップは味が濃くなるのでもうちょっと少なくてもいいかなあ。

 夜に行くと、定番洋食のほか、いろいろなバリエーションのオムライスがあるのもお楽しみ。そういえばまだ夜のメニューの「三ツ星ライス」食べてない・・・そぼろがゴハンにからんで美味そうなの。夜また来よう。ごちそうさま。

古奈屋

2005年2月15日
  素晴らしい快晴。インターコンチをのんびりとチェックアウトして、さてどうしよう。特になんの予定もなく、ゆりかもめで新橋に。
 カレッタ汐留でランチにする。「古奈屋」でえびもちカレーうどん。相変わらずクリーミーな奥深いカレーにあつあつ海老天が美味し。たかだかカレーうどんに1575円は高いとおもいつつ、結局「海老」も「もち」も捨てられない自分。

  その足で有楽町に出向き、マリオンの阪急と西武で買い物。ローライズ気味のパンツが全くといっていいほど似合わず衝撃を受ける。ああ、もうすぐ40の壁がくる・・・と、歳のせいにしている自分。じゃあ、カレーうどんに「もち」いれるのやめろよ、とひとりつっこみ。

  仕込んでいた塩豚(今回は肩ロース)で根菜と塩豚の味噌スープを作る。敬愛する高山なおみさんのレシピのこのスープ。特別なことは何もしないけど、塩豚の旨みがスープ全体をぐっと引き上げる力強さをもっている。塩豚はバラ肉より肩ロースがあうみたい。
 
  美味しいものを食べないまま死ぬのはいやだ。
  
 今月あたまのある日。いつもの通りお気に入りサイトを回遊していたらすごいの発見。国内ホテルを利用の際にはお世話になってます「一休.com」さんのインターコンチ東京の10周年記念プラン。2月14日泊のモデレートベイビューダブル・17時チェックイン・朝食無が、な・なんと衝撃の税サ込み15,246円!!!!や、安すぎる・・・バレンタインなのに平日月曜だからか???とにかく雨男の同意を得ないまま即予約。

 ・・・で、お泊りしてきました。ハイフロアのリクエストを出しておいたら、18階を案内されました。(20階以上はクラブフロアなので格安料金での利用としては上出来すぎると思う)

 モデレートのカテゴリーは各階のバスビューとスーペリアの境に一部屋だけ。丁建建物が弧を描くあたりでスーぺリアより1?狭い34?、そんなわけでダブルしか配置できない。でも眺めはお台場からベイブリッジ、日の出方面が一望の絶景。東芝で東京タワーが完全に見切れるけどなんのなんの。これがこの値段なんてかなりお得でほくほく。

 ディナーはホテル内のイタリアン「ATTORE」を予約。こちらもネットのプロモーションで、5000円のプリフィクスが4000円。これはホテル内のイタリアンとしては破格。西洋銀座の姉妹店と聞いてかなり期待していましたが・・・リストランテ???はっきり言って高級ファミレス。
  テーブルクロスの上にかけられた安っぽいピンクの化繊のクロスカバー。夜景自慢の割には明るすぎてセンスのかけらもない照明計画。もうちょっとアンダー気味にできないですか?
  そもそも低層階であることもたたって肝心の夜景がいまひとつ。フロアマネージャー以外てんで気配りができないスタッフ。ああ、いいところがどこにも見つからない。そうそう、椅子がね、すわり心地わるいったら・・・ごめん、ごめんよ雨男。これなら目の前の「Pesce Rosso」に行ってびっくりなシチュエーションと本当に素敵な夜景と、まあそこそこのイタリアンをご馳走したほうがよかったよう・・・と全く後悔先にたたず。

 え、肝心の料理はどうか?・・・ま、料金なりってとこですかね。味がこってりでとにかく濃い。滋味という言葉からはまったく無縁。うーん、ドルチェもやたら甘すぎるし、アメリカンイタリアンというか、よくわからんけどそんな感じ。(ただしポーションはとりわけ多くない)

 とにかく、インターコンチのスペックからして、全ての面で役不足の感否めず。20代前半までの、主に学生ちゃん達がお部屋とって気張って行くお店ですかね。(ま、そんなお客いなかったけど。)バブル時代の自分より、いまの学生ちゃんはもっと生意気かな。

  気をとりなおしてお部屋で飲みなおし。と、いってもミニバーのシーバスだけど、この景色があればどんなラウンジより素敵なのだ。まいったか。

  でもこのカテゴリーが安いのにはもうひとつ理由があったことを発見。ベッドの高さと、窓下の高さにはきちんと計算があって、ベッドに横になってもベイビューを堪能できるようになっているんだけど、モデレートは建物全体のプラン制約上、ベッドヘッドはお台場側しかありえない、つまりベイブリッジは望めず、見えるのは東芝の残業の灯りだけ・・・ってこと。おそらくスーぺリア以上のベイビューではベッドヘッドは竹芝側で、「横になっても」ベイブリッジが見えるってことだろうと想像。

  ちなみに、このバレンタインのメインの贈り物は人形町「タンネ」のカイザー・ゼンメル3個。  
 

 

「Ray」

2005年2月12日
  雨男のリクエストにて「Ray」を観る。一週間に2本も映画を観るなんてひさしぶり。
 音響スペックのいい映画館で・・・ということで渋谷・新宿をすっとばしてお台場まで足を運びました。これは大正解。

 ご存知“ソウルの神様”レイ・チャールズの波乱の生涯を綴ったヒューマン・ドラマ。 ジェイミー・フォックスにレイが憑依してるというか、完全に「おりて」きていた。あの演技はとにかく凄い。モノマネという域を超越している。(生前のご本人から演技指導を受けたらしい)

 女優陣もそれぞれに印象的。特にレイのママと、妻であるビーの信念を持ったまっすぐな生き方に感銘を受ける。

 南部で過ごした子供時代の映像が美しい。弟ジョージの葬儀でのゴスペルがぐっときます。

 エピソードが盛りだくさんで、いろいろ詰め込んだ150分の長尺。その分レイ・チャールズのルーツがやや散漫気味か。その輪郭がシャープに浮かび上がってこないのが勿体無い。

 終演が遅かったのでお台場から恵比寿に帰るともう12時前。「万八」で手羽先とどてやきをつまみに焼酎を頂く。雰囲気も悪くなく、おつまみの味もなかなか。でもチャージ500円とるような店か?という疑問は残る・・・。

  やっぱり恵比寿で深夜に焼酎飲むなら「だだ」のほうが好きだな。おでん美味しいし。
 絶対見逃せない映画版。できるだけ環境と音響のいいところで観たい!と思って日劇へ。レディースデーということもあって、結構な賑わい。

 舞台版は四季ではファントムが市村正親さんで、クリスティーヌが野村玲子さん、ラウルは確か山口祐一郎さんか、石丸幹二さんのどちらか。いずれにしても随分と昔の話。それと一昨年の秋にロンドンで。
 その感動がくっきり蘇る。このミュージカルを見た800万人の観客の一人として、存分に舞台の追体験をする。はあ〜素晴らしい。

 が、しかし。

 ロンドンキャストのCDをここ数日ずっと聴いているので、すっとあの華麗で切ない世界に飛び込む・・・つもりが、座った席が悪かった。隣はこてこての関西弁の夫婦。予告編の時からおばちゃんのほうがずーっとしゃべってたんで、わるーい予感・・・ハーマジェスティシアターの二の舞か?という不安はあっという間に敵意に変わる。いや、もうあれは殆ど殺意に近い。

 ここはあんたんちの居間ぢゃない!

 頼む。観たものの感想をまんま口に出すのはやめてえ〜。しかも注意するかしないかを迷う、非常に微妙なしゃべくりの間合い。恐るべし関西人。

 いや、何も「関西弁」がいやなわけじゃないんですよ、念のため。

 ちなみに去年のロンドンでの悲劇はこちら
 → http://ribai.gozaru.jp/london/london3.html

 とはいえ、そんなことも「あんまり」気にならないのは映像と音楽の素晴らしさ故。

 ジェラルド・バトラーのファントムはラウル並みに若くて格好よすぎるし、マスクの下の素顔ももっと醜いものでなくは・・・とは思うけど、切なさだけでない、叩きつけるような歌声もまた別の魅力があって素敵。

 ちょっとファニーフェイスなエミー・ロッサム。クリスティーヌのあの歌声が吹き替えじゃないというのもすごい。もともとはかのサラ・ブライトマンの音域にあわせて書かれたスコアだそうだ。

 クリスティーヌの「ハンニバル」での衣装がまんま「エリザベート」なのは一見全く時代考証されていないようだけど、当時のオペラはだいたいあんなもんだったらしい。
 そもそも今回のあのシャンデリアからアクセサリーまで全てスワロフスキー。と、なると、どうしたって「シシィ風」になって当然か。
 ウィーンのシシィ博物館にもスワロフスキークリスタルのティアラやら、クリスタルをあしらった豪華なドレスが一杯だった。髪飾りのデザインなんて今回のクリスティーヌのものと殆ど同じ。

 そうそう、戸田なっちの誤訳の噂は事前にあちこちで聞いていましたが、実際に字幕を見ると笑うしかないですね。代表的なのはやっぱりこれか。 

 ♪Our 「passion-play」 has now, at last, begun…
    「私達の情熱のプレイがいまはじまる」

 これが出るのを妙にそわそわして待ってしまいましたよ。

 しかし「情熱のプレイ」って・・・「受難劇」とするより筋立てには沿っているかもね、と味方したくなる気もしないではありませんが、プロの言葉選びとして「プレイ」はどうよ「プレイ」は!

 いや、本当に素晴らしい映画だったんですよ。
「幻に心もそぞろ狂おしのわれら将門」

シアターコクーン 19時開演 A列15番 下手ブロック通路側

 藤原秀郷に追いつめられる平将門(堤真一)一行。逃げ落ちる途中、頭に大怪我を負った将門は自分が何者であるかを忘れ、自分が将門を狙っている武者であると思い込むという狂気にとり憑かれた。その姿に混乱する、捨十(田山涼成)ら将門の影武者たち。参謀者でもある三郎(段田安則)はなんとか事態を収拾し、窮地からの脱出を図る。
 しかし、将門の妻、桔梗の前(木村佳乃)は、影武者の中から新たな将門を生み出そうと、三郎の弟、五郎(高橋洋)を誘惑。五郎は自らが将門になり代わろうと野心を抱く。そんな中、三郎は今や戦地で男に体を売る歩き巫女に身をやつした妹、ゆき女(中嶋朋子)と再会し、狂気の将門はゆき女に惹かれていく。

 シリアスな設定にコミカルな要素を散りばめながら、一気に悲劇に収束する展開。これが30年前の本とはとても思えない。
 
 集団の崩壊、のイメージを浅間山荘事件に重ねたオープニングから、「左翼系学生運動」は一貫して演出効果に用いられる。
 この本が書き下ろされたのが1975年。浅間山荘事件は1972年。彼らは自分がやるかやられるかという極限状態の中で活動を続け、その死と隣り合わせの恐怖の中で一連の事件を起こして行く。なるほど・・・この作品の裏モチーフでもあったのか。そういえば捨十のアジってる感じの台詞回しもあったしな。

 役者健闘。三郎はさすがの段田さん。でもちょっと手堅すぎるか。相変わらず高橋洋くんはナイフのように鋭い。観るたびに違う魅力が輝く。ゆき女、熱演。しょっぱなから狂気の態。彼女の存在が芝居の軸をゆるぎなくする。しかし一方の桔梗は「悲しみ」が足りないし台詞も響かず、残念。後半ばけるか?

 「ロミジュリ」でもそうだったように、役者の動きを大きく制限する舞台装置。位置関係での心情表現も巧み。
でもラストのあの白馬はなあ、ううむ・・・ちょっとどうよ。べつにぽくぽく歩かなくてもよかったんじゃなかろうか・・・気が散ってしょうがない。

野村万作の世界

2005年2月2日
有楽町朝日ホール 19時開演 1階G列23番センターブロック

解説   野村萬斎
素囃子  「獅子」
狂言「末広かり」  果報者  野村万作
          太郎冠者 高野和憲 すっぱ 深田博治

狂言「仁王」    博打打  野村萬斎
          何某   石田幸雄
          参詣人  深田博治 竹山悠樹
               月崎晴夫 高野和憲
          男    野村万之介

 ホール公演。でもとてもいい狂言会でした。この会の10回記念公演ということもあって、お祝いの会でもあります。
 疾走感のある華やかな素囃子の後に、おめでたいテーマの「末広かり」。ちょっと体調悪そうな太郎冠者たかのん。風邪だろうか・・・声は相変わらずの張りのあるいい声だったけど、なんか具合悪そうに見えた。万作師の果報者は、まさに「金持ちけんかせず」の、すっきりとした素直なキャラクターが前面に出ていて、この芝居の幸せ感を演出している。さすがに素晴らしい。

 休憩後の「仁王」も笑わせていただきました。萬斎さんのちょっと派手な博打打もご愛嬌。でも、なんと言ってもこの番組は万之介師の味わい深さが全て。本当にいつまでもお元気でいて欲しい。

 前夜はなんだか眠れないのをいいことに、ガルバンゾを煮たり、それをつまみ食いしながらネット遊びをしたり、読まなきゃいけない課題の本を読みかけたり、なんだかんだで結局寝たのは5時前。

 勿論おきたのは昼前で、その後ものんびり過ごす。芝居の前に銀座をふらっとお散歩。今日はレディスデーなのでマリオンの映画のチケット売り場には長蛇の列。デパートはバレンタイン商戦が熱い感じ。

 三越の地下で美味しいおいなりさんを買って、有楽町朝日ホールの必要以上にゆったりとしたソファでいただく。これが本日のゆうごはん。
 オーストリアで食べたもので何が美味しかったか、という話になると、雨男は断然あのちいさな丸い食事パンだそうだ。私もパンとコーヒーが美味しかったのが印象的。

 ナイフでざくざくっと半分に切って、チーズやハムをはさんでいただく。クラストはかりかりぱりぱりで、中はもっちり。どことなくベーグルに似た、イーストの力強さを感じる味わい深いパン。蜂蜜やジャム、ちょっと濃厚なクリームでもいいかも。

 あの星のような切れ込みの入った丸パンのことを、私はずっと「カイザー」だと思っていたんだけど、確かにinnsbruckのカフェではメニューに「Semmel」と書いてあった。
 
 ゼンメル/Semmel
 もともとはハンガリー語。南ドイツやオーストリアでは、ブレートュヒェン(Broetchen/小型のパン)を意味していて、特に王冠の切れ目のはいったものを「カイザー・ゼンメル」と呼んでいるそうな。

 カイザーは皇帝。なるほど!だからあれは王冠なのね。納得。

 私がベーグルに似た感じ、と思ったのはゼンメルもバターや卵を使わないからだと思う。

 ドイツパンの店、探してみよう。

中尊寺ゆつこ。

2005年1月31日
 がーんがーんがーん。衝撃的。若すぎる、若すぎるよ〜!!華やかな印象を軽々と飛び越える冷静な目線が好きだった。

 ちょいとお姉さんだけど同世代。がん告知されていたという。あの貪欲とも思える旺盛なバイタリティーで、自分の病状の変化をどうやって受け止めていたのかと思うと・・・涙。

 

六角さん降板!

2005年1月27日
 「走れメルス」もそろそろ千秋楽。結局1回しか観なかったなあ、ちょっと惜しかったかなあ、などと思いながらネットを回遊していたら、なんと先日から六角さんが病気降板だそうだ。代役は立てず「七人の刑事」は「六人の刑事」で上演しているらしい・・・。

 スルメ@勘太郎君も足にヒビが入ったまま(!)熱演し続けているし、確かにこの舞台を2ヶ月というのは体力的にかなりかなりキビシイのは容易に想像できる・・・。
 もっとも勘太郎君の怪我は、こないだの勘三郎襲名のお練で勘九郎さんが触れていたので知ったんだけど。

 あとちょっとだったのに、残念だったですね、六角さん。

 
これが恐ろしいほど当たる(ような気がする)。思いっきり塔の逆位置とか出るし・・・ううむ。

恋愛適齢期

2005年1月25日
 DVDを借りて初めて邦題のセンスのなさに驚いた。なんでこうなるの・・・作品のよさが台無し。

 30歳以下の若い女としかつきあわない60過ぎの富豪ハリー(ジャック・ニコルソン)は、新しい恋人マリンの別荘で心臓発作で倒れ、マリンの母親エリカ(ダイアン・キートン)に介抱される。
  ハリーはこのビーチハウスでしばしの療養生活を送る。エリカはバツイチの著名な劇作家。ここで新作を執筆中だが筆はにぶりがち。おまけに傍若無人な振る舞いをするハリーに困惑気味だったが、次第にお互いに魅力を見出し親しくなっていく。そんなとき、彼女はハリーが通う病院で知り合った、20歳年下の医師ジュリアン(キアヌ・リーブス)に一目惚れされる。

 若い子にはわからんだろうな〜この感じ。いろいろ経験を積んだ大人のための映画です。

 エリカが脚本に自身を写しながら涙したり笑ったり、そうやって気持ちを昇華させていくプロセスはコミカルなんだけど、ほろっとする。ハリーの忘れ物の眼鏡に気づいて号泣するあたりなんて、観てて痛い。

 悲しさとか愛しさが深いからだけで号泣するんじゃないんだよね・・・がまんもできなくはない。なにしろおとなだからね。でも声をあげて泣くことで自分を再確認しているんだと思う。
 
 とにかく、なんと言ってもダイアン・キートンが魅力的。しわしわなんだけど、素敵!なんて可愛い。恋するにつれて、表情が生き生きとして、じぶんもこんな50才でいられたらと思う。
 舞台になっているビーチハウスのインテリアも洗練されてる。白くて広いキッチン。リビングのファブリックもブルーが効いてて上品かつ愛らしい感じ。そんななかで色気のないパジャマ着てるエリカもまた愛らしい。

キアヌ・リーブス。決して芝居の巧い役者じゃないと思うけど、マトリックス直後にこの映画とはなかなかやるな、って感じ。ちょっと子供っぽい面がまたイイのでした。

 ラブ・コメは観た後に幸せにならなきゃダメ。そうじゃなきゃ観る意味なし。この映画は確実にあたたかい気持ちになれる。
 
 一週間前に仕込んだ塩豚がいい感じに熟成。これは花椒をきかせて白菜と鍋にして幸せになるしかない。仕上げは勿論中華麺で決まり。

 雨男はリクエスト通りビールをぶら下げてやってきた。

 何から話そう、とか、それより謝らなくちゃ、とか聞きたいこともあるし・・・とかごちゃごちゃな頭のなか、結局ありきたりな話をして、笑って、おいしくごはんを食べて飲んだ。いつもと変わらない、これからもって確認するみたいだ。きっと彼もおんなじ心境だっただろうと思う。

 表面だけ取り繕ったって、いつかまたボロが出る。もっとちゃんと謝らないといけなかったし、話をしなきゃいけなかったのに。

 でも、一緒に食べると私の酔っ払い料理だって結構美味しく感じる。真実は案外そんな何気ないところにこっそり隠れているのかもしれない。
 

ipod mini

2005年1月22日
 衝動買いのipod miniが届く。20日深夜にオーダーして、もう届くなんてすばらしい。しかも送料込。

買ったのはここ→http://www.rakuten.co.jp/kitcut/

去年の4月までMacユーザーだった私としては、やっぱりAppleのデザイン性の高さにはもうめろめろ。ちいさなタグやシールひとつとっても洗練されてる。うーん、可愛いぞ。

 色は勿論シルバー。

 昨日のもやもやをかなり心に残しているし、ふかーく反省しているけど実際はあれこれと不安。

不安なくらいは許してもらうとして・・・

あ、甘いですか?自分。

・・・ですよね。

でも、ちょっとだけ気持ちが晴れるよね、こういうプチ浪費。

 

Sting

2005年1月21日
日本武道館 アリーナB5ブロック 28番

 猛烈な勢いで仕事を片付けて九段下に向かう。ややのんびりと雨男登場。でも今日は雨じゃないぞ。

 Sting日本公演の初日。もうひたすらカッコイイの一言に尽きます。「ほんとうにこんな声なんだあ・・・」(←当たり前だ)とその印象的な歌声にただただ聞きほれるあっという間の2時間。

本日のセットリスト
   ↓
Send Your Love
Message In A Bottle
Set them free
Dead Man’s Rope
Brand New Day
Shape Of My Heart
Englishman In New York
Fragile
Fields Of Gold
Sacred Love
Every Little Thing She Does Is Magic
Whenever I Say Your Name
Never Coming Home
Roxanne

Desert Rose
If I Ever Lose My Faith In You
Every Breath You Take

A Thousand Years

一回目のアンコールの3曲が個人的には圧巻。
全体にビジュアルも凝っていたし、最高のライブでした。

 ほあ〜っとした気分のまま恵比寿に場所を移していつもの店で夕ゴハン。

 と、ここまではよかった。

 また私の癇癪で雨男を困らせる。何度反省したら気が済むのか、自分。彼のことになるとほんとに抑制がきかなくなるから困る。ちゃんといろいろ考えてくれているのに、それは高い棚の上に置きっぱなしだ。高いところに置きすぎて自分でも手が届かなくなってる。ばかばか。
 
 雨は降らなかったけど、涙の河はできました。

 お、うまい!

 ・・・ああ、自己嫌悪で死にそう。ほんとごめんなさい。
 
 
 

深夜の衝動買い

2005年1月20日
CDとか本とか雑貨類。お店をうろうろしてて出会うお気に入りもあるけど、amazonとか楽天を見てて衝動的にカートに放り込んでしまうものも多々あり。特に深夜は危険危険。

さっきもやってしまいました。ipod mini。欲しいな〜、でも絶対必要なものでもなし・・・という結界をやすやすと破って物欲がむくむく。ああ・・・

セカチュー

2005年1月18日
思いついてDVD借りてみる。

なんでヒットしてるかまったくわからないぞ・・・。後半がだらだらしすぎだし、作りこみすぎでうっとうしい。そもそも婚約者に失礼だろ、それって。

ほろっとするシーンも勿論あるし、それなりに感じるところはあるけど。これって「純愛」なのか???「純愛」ってそもそも何だ???

< 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 >

 

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

まだテーマがありません

最新のコメント

日記内を検索