新入社員

2005年4月11日
 新人がやって来た。ひとまわり以上年下の目がくりくりの可愛い女の子。趣味はダンスだそうで・・・しかもヒップホップ。もうそのへんから全くついていけてません。
 なるべく早く使い物になるように鍛えてくれという部長命令なので、彼女には申し訳ないが私はキビシイ人間になるのだ。そうでなくても社会はキビシイのだ。

 夜は恵比寿で歓送迎会。二次会はまたここか、の「ZEST」。クエルボをショットで一杯だけ飲んで、抜け出す。一日いろいろ緊張していたからか、なんだかとても疲れた。

 同じ様に職場の歓迎会を抜け出した雨男と会う。飲みなおしながらつい疲れた〜って口にしたら、かなり珍しがられた。そんなにタフに見えてた?

 

築地一隅

2005年4月9日
 久しぶりに雨男と会う。久しぶり、とは言っても2週間とちょっと。でも前に会ったのがはるか昔のような感じ。・・・と、お互い同じように思っていた。

 お直しに出している指輪はまだまだ仕上がってこない。製作期間は一ヶ月と言われている。次に会うときにはちゃんとしていたいのだけれど、厳しいかな。

 恵比寿三越地下の鮮魚コーナーは築地中島水産。品物は確かだし、価格も納得。特売になる時間が結構早いということもあって、魚が食べたいときのお買い物は迷わずこちらです。その中島水産が経営しているのが、和食屋「築地一隅 麻布十番店」。魚が食べたい、という雨男のリクエストで行ってみました。
明るくて広い店内。「ちょっといい居酒屋」って感じ。丁寧なお料理には好感もてます。焼物の付け合せが全部一緒っていうのはもうひとつ工夫が欲しいと思ったけど。お酒のラインナップはかなり好み。
あ、お手洗いが広々していて清潔で気持ちよかったです。これはかなり重要。

 実は表参道の「原始焼き 七代目 寅」と悩んで、来た事のなかった「築地一隅」にしたのだけど、どかん!と焼き魚!ってときは「寅」のほうがおすすめだったかも。小さな構えだけど、料理はダイナミックで面白い店なので、次はそっちに行こうね、雨男。
上司に連れてきてもらいました。外苑西の1本裏手にひっそりとあるお寿司屋さん。ご主人は美登利寿司出身だそう。

明るくカジュアルな店内。気軽な雰囲気。ちょっと照明が明るすぎるかなあ。食空間なんだから蛍光灯燦々、じゃなくて、もうちょっとアンダーにして欲しい。

さすが美登利寿司出身。とにかくネタが大きい・・・でも私には大きすぎる。シャリとのバランスが悪くて、なんとも落ち着かない感じ。ウニ(軍艦じゃなくて握りだった)・イカなんかを塩で頂いたけど、その味も濃い、というかちょっとしょっぱかった。全てを抑え目にして欲しい。
とはいえ、何を頂いてもネタそのものは新鮮で美味しく、特に棒寿司風に仕立てた鯖が印象的。お会計も良心的(だったと思う・・・)。近所にあったらいいのにな、と思えるお店。ごちそうさまでした。
 六本木ヒルズのヴァージンシネマ。ネット予約ができるのでレディスデイでも楽々。まだまだ新しい映画館だけど、行く度に思うのは、座席が結構荒れていること。六本木の土地柄、お行儀の悪さか。

 ちょっと元気、というかハッピーな気合が欲しくて「ブリジットジョーンズの日記」を観る。コリン・ファース、相変わらず素敵。まさに完璧な恋人。ノーブルだし、思いやりも、会話のセンスも抜群。応用の効かないカタブツとして描かれているけど、それもまたよし。勿論ヒュー様のくらくらする悪い男ぶりも最高。

 ブリジット、前作以上のデブです。まさに女版デ・ニーロ。レニーの女優魂を見ました。でもとんでもなく愛くるしい。なぜだ、あんなに見事にデブなのに。
 これを見た日本人女子が勘違いするのは間違いない。あれはレニーだから可愛いんで、フツウの日本人の30代があれじゃいけません。絶対もてないぞ。やせればキレイになるというは全くもって幻想。そもそも美人はデブでも美人なのだあ!

 好きだからこそ、つい自分の気持ちと反対のことを言ってしまって激しく後悔すること、あるある。理想の恋人だと思っているのに、彼の気持ちをつい疑ってしまうこと、あるある。

 前作よりもさらにさらにストーリーは強引。ブリジットのだめさ加減が暴走気味。でもそんなのはこの際問題じゃない。素敵な恋がしたい、しかもハッピーエンドで。世の中の女性の願望をぎゅっと詰め込んだような映画。

 確かにちょっとは背筋が伸びたような感じ。

 で、マドンナのデビュー作は私も「ラッキー・スター」だと思っていたのだが・・・。
G2プロデュース#9「キャンディーズ」
本多劇場 19時開演 D列11番

 昭和30年。向島石鹸は手作り石鹸の工場を次々と閉鎖、合成洗剤の大量生産へと切り替えていた。
  唯一残された第三工場に立花社長(山西惇)の娘・美雪(須藤理彩)が幼馴染の女工員のしじみ(新谷真弓)を訪ねてやってくる。遅刻してきた新入工員と勘違いされた美雪は、どこか暗い影のある職人・渡部(長谷川朝晴)と大げんか。勢い余って工員として働くことになってしまう。
  そこへ第三工場閉鎖と職人のリストラの通達。社長である父の横暴に怒る美雪は、労働組合のリーダーとして反対運動を起こすことに。
  だが、工員は瞬間湯沸かし器の伝介(内田滋)、のんびり屋の浜田(陰山泰)、20年前の事件以来口がきけなくなってしまった横山(廣川三憲)、お色気むんむんの五月(豊原里美)と、役に立ちそうな者はいない。唯一、頼りになりそうな工場長・松永(竹下宏太郎)も昇進をちらつかされ微妙な立場。しかも、闘う相手は美雪の許婚の君島(木下政治)だ。
 そこへ助け船を出したのがラジオ東京のディレクター菅井(菅原永二)。労使交渉の場をラジオで生放送してくれることに。

 こんな騒動のなか、君島という許婚がありながら、渡部に心を奪われていくのを止めることができない美雪。しかし渡部は20年前の事件に心を閉ざしたままだ。

 20年前の昭和初期、社長の立花は軍の要請もあり工場のひとつを合成洗剤用に改造した。そんな流れに逆らうように第三工場の頑固な石鹸職人・柴田(久保酎吉)は「キャンディーみたいな石鹸」を目指して、小豆島のオリーブに目をつけていた。太平洋戦争の陰が迫る中、チャンスはやってきた。宮内庁からフランス王朝御用達と同じ質の石鹸をという要請があったのだ。喜び勇んでオリーブを買いつけ、新人の渡部と徹夜で作業する柴田。
 だが、渡部が同僚の永井(草野徹)の恋人・美千子(須藤理彩・二役)に心を奪われてしまったことから、事態は悲劇を呼ぶことに・・・。
 
 二つの時代の二つの恋。そして「キャンディーみたいな石鹸」はできるのか、工場閉鎖は撤回できるのか。

 久保さん、陰山さんのコクのある芝居で屋台骨もがっちり.
芝居のストーリーとはちょっと離れたところでその存在感にただただ感動。ケチ社長というあまりにもはまりすぎの役を与えられた山西さん、要求どおりで確実。 
 
 いつの時代でも、自分の仕事に誇りとこだわりを持って生きることはその人の輝きを増すのだなあ、としみじみ。

 しかし、そもそもこの芝居は恋愛物のはずなんだけど、その「恋」が何故か散漫。芝居全体を貫くエピソードのはずが、久保・陰山両氏にようやくひっぱってもらっている感は否めない。おじさんチームの頑張りにとにかく注目。

 確かに「いい話」なんだけど、G2作・演出ならではの小奇麗さが良し悪し。彼がきっと心優しい人なのだろうと思うけど、今回もハッピーエンドが過剰。それも考えもの。

 G2プロデュースを観ると、いつもそう思う。魅力的な役者陣に期待して張り切って観にいくけど、結局軽い肩すかしをくらう。でもきっと次も楽しみにしてしまうのだ。不思議だ。

T.Y. Harbor brewery

2005年4月2日
 訳あってひとまわり近く年下の男の子とデート。若い!20代だ、20代!・・・ううう、もう気分は若紫を育てる源氏の君。
 もうすぐやってくる彼のお誕生日。ひょんなことからお祝いしてあげる約束になっていた。
 選んだのは、天王洲の「T.Y. Harbor brewery」。カジュアルで明るい雰囲気だけど、ほんの少しの「特別感」が大好き。お気に入りの店で、ちょっとだけお姉さん振りを発揮。

 天王洲アイルの駅を出ると、突然海側から花火が上がる。私たちの目の前で。すごいタイミング。なんのイベントだったのか結局わからなかったけど、感動。

 相変わらず殺風景な街並みを歩いて、ぽっと現れるこの店。テラスに席を取る。来月にはこのテラスも水辺まで開放されて、ますますいい感じになるだろう。楽しみ。

 がーんと肉が食べたい気分!という彼のリクエストで、サーロインステーキ(400g!!その名もGrilled "man size" sirloin steak!)にマッシュポテト2スクープを添えてもらう。若者は食べろ食べろ!!
 それに私のリクエストで帆立のグリル。添えられたポレンタがもちもちしていて美味しい。ポレンタは北イタリアの家庭料理だそうで、本来は煮込み料理に添えられる、コーンミールを練り上げたマッシュポテトのようなもの。ここではチーズを加えて香ばしく焼き上げられていた。帆立との相性もよく美味。

 横浜・黄金町の築45年の一軒家にひとりで住む彼のライフスタイルはなかなかに個性的。そのはっちゃけ気味な個性に彼女は結構ふりまわされてるみたいだけど。まだまだ若いふたりだから、血管切れそうになるまでお互いをぶんぶんふりまわしたらよろしい、とお姉さんはしみじみ思うのでした。
 
ラックシステム「お願い」
下北沢ザ・スズナリ 19時開演 E列9番

 「関西の芝居」にこだわるラックシステムの2年振りの新作にして、10周年記念公演。実は大阪では去年一年で記念公演を2本(「お祝い」と「お正月」の再演)も打っている・・・お金と時間があったら絶対行ったのに。

 狭い狭いスズナリのロビーでは、レ・ミゼラブル出演中のコング桑田さんと、なんとわかぎゑふさんご本人が物販。

 舞台は大正時代の遊郭。吉原にありながら、あくまでも「浪花風」を貫き大阪の客しかとらない置屋「いてて屋」。大阪風の遊びをお求めて来る客筋もよく商売繁盛。遊女の恋、人情、日本がとても「粋」だった大正から昭和への時代の流れ。

「お願いされたらしゃあないなあ・・・」

 ああ、いい話を観たなあ・・と心がぽっと熱くなる芝居。あのスズナリのイスで、あっという間の2時間。号泣するわけでも、大爆笑するわけでもない。ラックシステムの芝居は(というよりふっこさんの書く物語世界)は派手さはないけど、じんわりと心にしみる。一回しか観に来れなかったことを後悔。

 芝居を観ながら、大阪・九条の松島遊郭を思い出していた。

 昔つきあっていた人が、この花街のどまんなかのマンションに住んでいた。彼の転職とともに遠距離恋愛になった私は、少なくとも月1回は東京から大阪まで通い、それは約2年半続いた。

 九条駅から商店街を抜け、あの花街を歩いた。夕方になると灯る、なんともいえない色の照明と、ちらとのぞくスリップ姿。ハイヤーで乗り付ける客もちらほら。

 芝居で描かれた遊女達の生き様。したたかに、仕事への誇りと、男たちへの大いなる愛をもって生き抜く彼女達の姿と、あの松島遊郭の佇まいは、ちょっとしたノルスタジー以外に何か共通項があるのだろうか。

 お願いを受け取る側である「おんな」な私には、もうそれ以上は混沌としてしまうのだ。
 

 

食べる女

2005年3月29日
 脚本家・筒井ともみ作の、この短編集。筒井ともみ、といえばなんといっても私のなかでは「家族ゲーム」と、かの有名な「失楽園」だ。
 ぱらぱらと立ち読みしたこともあるし、j-waveの「zero-hour」でも中嶋朋子がいい感じでダルく朗読していた。ちなみに「zero-hour」は今月で終了。大好きな番組だったので惜しい・・・今週そのラストを飾っているのは古田新太による「Hamlet」だ。素晴らしい!

 で、「食べる女」である。

「これ、おまえが書いたんじゃないかと思う」雨男がぽつりと言った。
「 へえ。」彼のその一言で、あたしは初めてそれをきちんと読んでみる気になった。

 もうこのへんから文体が微妙に「食べる女」風。


 それはさておき、この短編集からなぜ「私」を感じるのか。雨男が見出した共通項は確かにいくつか思い当たる。指がキレイな男が好き、とか細かなもろもろの表現。

全編を貫くのは「スローフード・スローセックス」。これは私の人生の大きなテーマであることは間違いない。もしも雨男が、そこに「私」を感じてくれたのなら、とても嬉しいのだけれど。

 ひとはおいしい食事をすると、体が元気になる。
 いとしいセックスをすると、心がやさしくなる。
 
 食事とセックスは、手を抜けばいくらでも貧しいものになる。そして大事に思えばいくらでも大切にできるのだと思う。
 

 
パルコ +サードステージ「お父さんの恋―Family Tale―」

パルコ劇場19時開演 B列11番 センターブロック上手寄り

海のそばに建つ一軒家。この家の主、杉本正樹(前田吟)は、妻に先立たれ、3人の子供もそれぞれ独立していて、一人暮らし。
終の住処に、と定年後に家を新築したお父さん。しかし突然病に倒れ、以後寝たきりの生活になってしまった。
 だが、今の正樹には希望があった。それは住み込みの介護ヘルパーのさおり(星野真里)の存在。かいがいしく介護してくれるさおりに、できることなら結婚を申し込みたいと思っている。でも正樹にはそれが出来ない「事情」があった。
 亡き妻の七回忌に合わせ、日頃疎遠になっていた子供たちが久々に帰って来る。長女の正子(七瀬なつみ)と次女の美樹(菊池麻衣子)。2人はどちらも饒舌で気が強い。介護ヘルパーが、中年のおばさんから若いさおりに代わっていたことを知らなかった2人は、取調べさながらの面接を開始。
 そこへ、正樹の主治医で正子の幼なじみ の薮一平(池田成志)が回診に。薮は正樹の回復を信じており、また、子供たちに会えて喜んでいるなどと、勝手に正樹の気持ちを代弁する始末。
 最後に現れたのは、大学中退後30過ぎまでニートな生活を続ける長男の大樹(堺雅人)。
 実父のそばにいて介護をしようとしせず身勝手なことばかり言う子供たちに、さおりは「正樹さんと結婚して一生面倒みます!」と宣言・・・。

脚本、中谷まゆみ。相変わらず涙腺を刺激するストーリー展開と台詞の数々。ううう、今回もきっちり泣かされました。

  実はお父さんは寝たきりの「植物状態」で、舞台上で台詞はあるもののそれは心の声。さおりに告白できない正樹のこの「事情」は物語の序盤で明らかになる。それを取り巻く子供たちの人生。一歩踏み出せない、いろいろな事情をかかえて、それでも家族は家族。

ラストがやや間延び。植物状態の父の介護という重いテーマ、さらにいろいろな要素を詰め込みすぎて、最後に収集つけるのに苦労している。もう少しコンパクトなら、さらに輪郭のがっしりした芝居になったと思うと残念。

介護の美術や設定がリアルな分、気になったのは、おそらく父親名義であろうあの土地建物を担保に次女がいきなり3000万借入できないなあということ。
植物状態の父親は担保提供の判断はできないから、まずは成年後後見人(勿論この場合は次女以外)を選定して・・・ああ、ベンチャー、しかもネット通販会社での3000万のコゲツキ。そんなにモタモタしていたら資金繰りが・・・なんか次女だけ不幸な結末が見える。まあ、ご都合主義で進むのがお芝居のいいところですから、全然いいんだけど。
そもそも次女・美樹には全く感情移入できないからこういうのが余計に気になる訳です。きっと長女・正子の「勝ち組」に対する「負け犬」のプロトなんだろうけど、かわいげなさすぎ。きゃんきゃんうるさいだけの芝居は見てていらいらする。近親憎悪か?

 それにしてもやっぱり成志さん、あなたは最高です。

狂言劇場その弐

2005年3月22日
狂言劇場その弐 Bプロ
世田谷パブリックシアター H列19番 センターブロック2列目

 うかうかしてたらAプロ(「鏡冠者」「髭櫓」)のチケットを取りそこね、Bプロだけの鑑賞に。ううむ、なんたる失態。「鏡冠者」観たかったなあ。

 「節分」 鬼 野村萬斎
      女 高野和憲
        後見 竹山悠樹
 
 蓬莱山からはるばる日本に来た鬼が、人間の女性に思いを寄せてなんとか気を引こうと、必死に謡い舞うが、結局女性に宝物(隠れ蓑やら打出の小槌やら・・・)を巻き上げられた挙句節分の鬼打豆で叩き出される、というなんともなお話。鬼は確かに鬼なんだけど、女のための純情ささえ感じさせる。一方女は人間だけれど、高慢で心に鬼を潜ませている存在。
 萬斎さんのキレのいい身体能力の高さと、相変わらずの手の表情の美しさに惚れ惚れとする。

 「木六駄」太郎冠者  野村万作
      主     深田博治
      茶屋    野村万之介
      伯父    石田幸雄
        後見 月崎晴夫

 いやあ、実は「木六駄」初見です。参りました。万作師の存在感が素晴らしい・・・深い雪のなか12頭の牛を追う。何の舞台装置もないのに、しんしんと降る雪と、牛の群れが舞台にすうっと現れる。そして寒ささえ感じる。・・・素晴らしい。
 後半の茶屋との酒盛りも、次第に酔っていく太郎冠者のほほえましいことと言ったら。そうそう、酔っ払いってそうだよねえ。 
 ああ、今日は本当にいいものを観た。万之介師も一時期よりお元気そう。           

 帰って丹下健三氏のご逝去を知る。

 20日に汐留の松下電工ミュージアムで「DOCOMOMO100選展」を見たばかり。91歳だったのですね。常にモダニズムの旗手であり、現役のイメージだったので意外です。作品の時間軸考えたら当然なんだけど。
 建築は後世も残り、記憶にとどまる。形を変えて成長する場合もある。素晴らしい仕事です。
 風邪を押してなんとか頑張った一週間。ご褒美に欲しかったキャミソールとカーディガンを買おう!と心に決めて恵比寿三越に。

 閉店間際の地下食品フロアで真鯛の切り身と投売り状態のロメインレタスを買う。今日は真鯛のソテーに白ワインで決まり!さて帰ろう、と思ったらドイツパンでは有名な吉祥寺「リンデ」の出店を発見。23日までの催事。
 迷わず駆け寄り残り3個だったカイザーを購入。ヒマワリの種1個と白ゴマ2個。晩ご飯に1個食べて後は冷凍しておくつもり。とっといて雨男にも食べてもらおう。でもしばらく会えないだろうからその前になくなっちゃうかな。

 真鯛はオリーブオイルで皮目をぱりぱりに香ばしくソテー。ソースはにんにくと白ワイン、それに菜の花添え。ロメインレタスはばりばりちぎってサラダに。ヒマワリの種のカイザー。 
 今日の白ワインはコート・デュ・ローヌのヴァルヴィニエール・ブラン・アラン・パレ2003です。きりっとしながらも余韻のある飲み口が鯛とオリーブオイルにぴったり。軽めに効かせたにんにくにも負けてません。1500円ちょっとでこの充実感。かなり優秀なデイリーワインだと思う。やっぱりこの価格帯で気軽に飲める美味しいワインを探したい。
 私の場合、料理しながら飲むので、ソースに使うワインも勿論これ。これでまずかったらばちがあたります。

 このワイン温度が上がると、また余韻が深くなる感じ。白も赤もベースは果実味の豊かなものが好みなんだな、と最近ようやくわかってきました。

 なんとなくくしゃくしゃした気持ちも、魚が焼ける音やその香りの変化の言うことに耳を傾けてるとほんわりと柔らかくなる。仕事とはまたちがった集中。で、食べて美味しかったらさらに幸せ。 
 

お直し

2005年3月17日
 雨男からプレゼントされた指輪にちょっとした瑕疵。

 あ、ここで「瑕疵」を「かし」ってさくっと読み進めた人は特定の業界の方に違いない。

 この一点のほか在庫もなく、代替品はなし。現品の修理も厳しいという内容で、結局作り直しになってしまいました。約一ヶ月のお直し期間。
  一点しかなかった物を選んだというちょっといい気分と、せっかく頂いたのにまた一ヶ月もサヨナラなんてという気持ちが半分半分。

 お直しついでにサイズダウンと刻印のオーダー。私のためだけにいちから作ってくれるのだから、楽しみに待つことにしよう。

狂言劇場その壱:DVD

2005年3月16日
 風邪だ・・・風邪。これは久々にくるしい。悪寒までするし、身体が痛い。フルーじゃないことを祈るばかり。

 本当はNHKホールのスピッツにダフ屋からチケット買っていくつもりだった。(ちゃんと正規のルートで買えって・・・そうですよね。すみません)

 あちこちで用事を済ませて渋谷までなんとかたどりついたけど、どんどん熱っぽくなるし、喉は痛いしで勇気ある撤退。でもそのまま帰るのが悔しくて西武でパンプス買う。(馬鹿)

 ついでに恵比寿「Robuchon」のブティックで美味しそうなモンブランをお持ち帰り。熱い紅茶と甘いものなら食べられそうだったので、ちょっとだけ奮発。1個525円也。
  普段ケーキなんて買わないのに、体調崩れると嗜好も変わるのね・・・でもこのモンブランは甘さ控えめで、渋皮付の栗がいいアクセント。ペーストやクリームが栗のいろんな表情を見せる。上品な大人のモンブラン。元気だったらさらにさらに美味しいのかも。

 帰ったら、去年の狂言劇場のVDVが届いていたので、とにかく「三番叟」だけは観なくては・・・と思い再生。早く寝ろよ自分。

 なっ、なんですか、あの編集は!!!

  ああ、熱が上がる・・・。型のいいところが見事にぶっちぎれています。萬斎さんのアップなんてどうでもいいから全体を見せて頂戴・・・特に「鈴の段」の高揚感というか、エネルギーの高まりがまるっきり無視されている感じ、とは言いすぎか?
 
 せめて正面固定アングルつけて下さい。

 今日は他にも色々あったんだけど、ショックなんでここまでにしてもう寝ます。
 

ホワイトデー

2005年3月14日
 ホワイトデーである。バレンタインに比較してあんまり盛り上がってない感じ。ま、私もバレンタインって言っても義理チョコ大量散布しなくなって久しい。ホワイトデーでエビタイなことも全く期待せず。

 こういうイベント事って、ホントに好きな人に色々考えてプレゼントすることが一番の喜びなのだ!で、喜んでもらえたらさらに嬉しい。

 ちなみにシンガポールのバレンタインは男性が女性に愛を告げるのがスタンダード。で、そのプレゼントは「花束」です。

 そういえば本を贈る「サンジョルディの日」は全く定着しないまま終わったな〜。

 前から欲しかった「Ponte Vecchio」のリングをプレゼントしてもらう。私の肌にしっくり馴染むブラウンダイヤで、Ponte Vecchioらしさがあふれるお花モチーフのデザイン。でも甘すぎない。可愛いです。うれしいです。にやにやしちゃう。

 安易な少女趣味のようだけど、指輪はやっぱり特別なプレゼント。会えなくてもそばにいるような安心感が小さなリングからからだじゅうにいきわたる。うわ、書いてて恥ずかしい。ちょっと吉田美和っぽいぞ、自分。でもホントにそう思う。

 結構いいお値段の贈り物。誕生日+クリスマス+ホワイトデーの超合わせ技だから許して、雨男。

志賀高原。

2005年3月9日
 晴天。もうまるっきり春の陽射し。うららかうららか。

 突如雨男に連れ出されて早起きしました。サロンの予約も銀行行く予定も、映画観る予定も勿論全部ぶっとばし。どうでもいいのだ、この際。よかった・・・芝居の予定がなくて(芝居のほうが大事なのか?自分!)
 行き先は志賀高原。雨男にとってはスキーはライフワークでも、自分は板なんてもう10年近くはいてない。

 で、待ってる間はゲレンデ眺めながらお茶。ipodをお供に読書。窓ガラス越しの陽射しがぽかぽかでいい気持ち・・・。

 「超予定外」の行動だからこんなに晴れたんだな。きっと。

  一昨日から気持ちはひどく曇りがち。曇りがちどころか強風大雨洪水警報。きっとひとりでいたらさらにマイナスな深みに落ち込んでいたんだと思う。
 でも空がこんなにすかっと青くて、好きなことやってる雨男のとてもいい表情見てると、それもどうでもいいことの様に思える。問題は全く解決していないけど、不思議な元気が出てきた。

連れ出してくれてありがとう。当事者ながら大胆な作戦だ、雨男。

WE WILL ROCK YOU

2005年3月8日
  ついに「WE WILL ROCK YOU」が日本上陸。絶対観にいく!コマ劇場っていうのが、なんか、どうよって思うけど。

  ロンドンのドミニオンシアターで観たときは、これだけのためにもう一回ロンドンに来てもいいと思ったくらい面白かった。夏の楽しみが増えました。
新・旧約聖書にはワインの記述が沢山でてくる。方舟を降りたノアがブドウの苗を植えてワインを作り、イエスは水を葡萄酒に変える奇蹟を起こす。かの有名な最後の晩餐では赦罪のワインが登場。
その祖国とも言えるイスラエルのワインが美味しいと聞いて前からかなり気になってました。

買ってみたのはイスラエル・ゴランハイツワイナリー「YARDEN」シャルドネ2001年。これが美味しい!ラベルのデザインも素敵。
ワインについての語彙が貧しくてもどかしいんだけど、こくのある飲み口で、フィニッシュはさらりと上品。現代的な味わい。

かなり好きな味です。気に入りました。結局ひとりで一本あけてしまう。赤も是非試してみたくなります。

調べてみると、ロバート・モンダヴィから顧問として招いた醸造責任者をおいたり、最新技術を駆使してワイン作りをしている近代的なワイナリーだそう。2300円程度でこの味ならお買い得。おすすめ。

美味しい出会いに喜びを感じる反面、予備知識も殆どなく手にしたこのワインのラベルの「GolanHeights」の地名に、はっとする。

第三次中東戦争以来、イスラエルの占領下にあるゴラン高原。東エルサレム同様に国際的にはイスラエルとしては承認されていない、非常に複雑な性格のエリア。

私の乏しい知識では、こんなところに優れたワイナリーがあるとは全く想像もできませんでした。

水資源の厳しい中東で、このゴラン高原は平均標高がおよそ600メートル。夏は乾燥し、冬には雪が降り、その雪解け水で一年を通して水が豊富。水源としての戦略的価値を見出され、政治的な狭間に立たされている一方で、ブドウの育成に適した気候が「イスラエル産」として素晴らしいワインを生み出している皮肉。

対シリアの和平交渉は現在凍結されてるけれど、今後シリアが交渉開始を受け入れ、イスラエルがゴラン高原のシリア返還に応じれば、ここでのワインづくりは打ち切られる可能性が高いのだそうだ。

和平交渉の再開は困難という現実は非常に厳しく、中東全体の平和は心から願う。でもこのワインが幻になるのも惜しい。

桃の節句

2005年3月3日
  ひな祭り。亡き父の誕生日。突然倒れたあの日からもう20年。
  いま思えばいわゆる「教師バカ」ってやつでしたねえ。それしかできないっていうか。当時の若い自分でさえ、なんて不器用なヒトなんだろう、と思っていた。
 
  生きていたらとっくにリタイヤして、孫に囲まれテニスとスウィングジャズ三昧の、田舎で平凡に、でもそれなりの充実感をもって、平和で、安穏とした日々であっただろう。

  全く申し訳ないねえ、いまだにこんな娘で。

 
阿佐ヶ谷スパイダース「悪魔の唄」 
本多劇場 19時開演 N列20番 下手後方

 中年の夫婦が移り住んだ一軒家。妻・愛子(伊勢志摩)は夫・壱朗(吉田鋼太郎)の浮気が原因で精神を病んでいる。居もしない自分の恋人の妄想にとりつかれ、狂乱の態。壱朗は彼女の療養のためにここにやって来たのだった。そこには若い女・サヤ(小島聖)がいた。
 愛子は彼女に乞われるまま、とある場所を掘り返す。サヤの言う通りに掘り返すと、そこから現れたのは第二次世界大戦に参戦できないまま亡くなった3人の兵士(伊達暁・中山祐一朗・山内圭哉)、しかも死せる肉体をひきずったゾンビ状態。
 実はサヤは「ゴースト」。戦争で死に別れた婚約者を思い続け、夫・眞(長塚圭史)と気持ちを通わすことのないまま、苛立つ眞に無残に殺され、眞自身もサヤの後追い。サヤは恋焦がれた人に会いたい一心でこの世をさまよっていたのだ。
 現代に蘇った兵士は戦争が終わってしまったことを知り、アメリカに一矢報いたいと考えるようになる。その頃、愛子の弟(池田鉄洋)が姉を連れ戻しにやって来る。
 愛子の入れ知恵により、壱朗は兵隊達のために米国本土を攻撃するための爆撃機を用意する羽目になる。

 果たして爆撃機は用意され、兵士は本懐を遂げることができるのか、すれ違った夫婦達の気持ちは通うのか。愛子は狂気から開放されるのか。

 場内超満員。立ち見も出てました。休憩なしの2時間30分。長尺には慣れているけど、立ち見のひとご苦労さまでした。

 阿佐スパが真正面から「戦争」をとりあげたことにまず驚き。いつものグロさは「戦争」という究極のグロである現実がテーマである分、ちょっと影をひそめた感あり。スプラッタな特殊メイクも怖いというより軽妙な味付け。
 「はたらくおとこ」の胃の奥がぎりぎり痛くなるような重さとはちがう、でもかなりの重量感。戦争の描写やそれにまつわる個人の描き方がちょっと説明的すぎるか。

 誰のために戦うのか、どうやって戦うのか。報復とそのありかたについて。ひとを救うということ。様々な線が絡み合って濃厚な舞台に。

 スパイスの効いた笑いは健在。意志はやたらめったらと強いのに、ゾンビなだけにとにかく虚弱な兵士とか、おもしろ悲し。

 浮気夫・吉田鋼太郎、出演作品は何本も観ているけど、シェークスピア以外は初めてかも。さすがに巧い・・・ラストの泣き笑いの表情、ぐっとくる。
 
 恋こがれる幽霊・小島聖。佇まいの美しさが印象的。本当に足が地についていないんじゃないかとさえ思う所作のはかなさ。

 狂った妻・伊勢志摩。なんといってもラストの背中。むかし鈴木保奈美ちゃんが出てたドラマにもこういう結末があったような。

whoopee

2005年2月28日
 会社の飲み会の前にちょいと時間があったので、恵比寿の立ち飲み屋「whoopee」へ。恵比寿駅前の「恵比寿ストア」の八百屋と魚屋の間にあるちいさな店。ここにはひとりで行こうと思っていたものの、その勇気が出ずに店の前で踵を返すこと数回。後輩を誘って今日は堂々と入店。
 19時前だというのに15坪ほどの狭い店内はお客でぎっちり。カウンターになんとかすべりもこませてもらう。
 生ビールのほかは各国のワインとつまみが500円均一。つまみが美味しいとは聞いていたけど、たしかにオーダーしたアボガドのディップもかなりハイレベルな美味さ。待ち合わせまでにちょっと一杯、とか、帰るまでにもうワンクッション欲しいときに最適な空間。
 
 恵比寿ストアは再開発予定だから、きっと数年でここもなくなるんだろうけど、それまでの間は大事に通いたい店になったことは間違いない。

 気がつくと本編の飲み会の開始時刻。あわてて「whoopee」を出て、ほろ酔い加減で店に向かう。

 飲み会は水炊きの店「さかえや」。最近上司のお気に入りの店。まあ、普通にだらだらと、でも相変わらず結構面白き宴。20時スタートで、店を出たのはなんと0時過ぎ。

 それから雨男と会う。お互い完全に酔っ払い。
 

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